2012年02月13日

tryその1

 庭の福寿草の芽が顔を出しました。日も長くなり、陽射しもやわらかく感じます。
山梨では13、14日の塩澤寺の厄地蔵さんのお祭りの頃が一番寒く、それを境にだんだん暖かくなると言われています。
今日がその日ですが、今年は色々な意味での厄払い、人出も多くなりそうです。
 

 さて、少しずつ現在の展示品を皆様にご紹介していきたいと思います。
まずは数ある中から私のお気に入りの1点、色絵撫子紋横手型急須です。
明治期の万古焼で、今回のポスターにも使ってあります。

6p四方、高さ5p、重さ57g、手に取った時の軽さに驚きました。
初期の頃の万古焼急須は指先だけによって極限の薄さに作られています。
その軽さは四日市の垂水山から採取された白土によるものです。
加えて職人の妙技で30gの急須も作られていたそうです。
その白土が採り尽された明治20年以降は30gの急須を作ることは不可能になったということです。

持ち手には菊の花の透かしが施され、丸い蓋に四角の胴体です。
蓋はピタッとして逆さにしても落ちません。
こんなに小さいのにきちんと茶漉しが付いています。

使う人を愉しませるためか、作る本人が愉しんでいるのか、なんとも愛らしい急須です。

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posted by スタッフ at 14:18| Comment(0) | 日記

2012年02月06日

何事もtryです。

 例年にない冷え込みと驚くほどの豪雪。立春とはいえ寒い日々が続いております。
皆様いかがおすごしでしょうか。

 さて、昨年11月に展示替えをし、急須展がスタートいたしました。展示室は前回の酒宴の器展から一転し、とても可愛らしい雰囲気になりました。
 今回は煎茶用の急須ばかりを集めて紹介していますが、ほとんどが一人用のサイズです。
繊細な細工、気品ある絵付け、フォルムの愛らしさ、初めて対面した時はカルチャーショックというのでしょうか、衝撃を受けました。
時代は明治から昭和の初期、前回の酒宴の器もそうであったように、当時の人々は器を使うこととその雰囲気を愉しむことを生活の中で上手にしていたのでしょう。

 ”茶の間”という言葉があるように、現代の私達にとってもお茶はかかせないものですが、皆さんは急須や湯呑をどんなお気持で使っていらっしゃるのでしょう。
私はお茶、コーヒー、紅茶と使い分けてはいますが、ただなんとなく・・・
でもこんな可愛らしい急須を目にすると使ってみたい衝動にかられます。
館蔵の急須を試用してみるわけにもいきません。そこで急須の中でもよく知られている常滑焼の朱泥急須を購入してみました。一人用、横手型の急須です。
「おいしいお茶の入れ方」「急須の上手な使い方」にのっとってさっそく一杯いれて飲みました。
持ち手の持ちやすさ、細い注ぎ口の注ぎっぷりの気持ちよさと、とっても使い心地が良いのです。
そしてお味も勿論、まろやかで美味しいのです。
その日から大切に、そして楽しく使っております。

 日本の器はまことに見て愉し、使って愉し。
これから先もどんな器たちに出会えるのか、美術館の仕事も愉しいものです。
posted by スタッフ at 19:17| Comment(0) | 日記